「昔からX脚が治らないんです」

神山町のアンドエイチには、そうおっしゃる方が多くいらっしゃいます。子どもの頃からずっと気になっていた方。ヒールで代々木公園沿いを歩いてきた帰り。スキニーを買いに行った帰り。写真に写った自分の脚を見たとき。

気になって、膝の位置を意識してみる。くっつけてみる。開いてみる。でも、力を抜いた瞬間に元通りです。

先に言っておきます。膝を直そうとするのは、たぶん逆効果です。

理由をお話しします。そして最後には、神山町のアンドエイチで実際に何をしているのか、その中身もお伝えします。


カラダは、全身でねじれながら動いている

歩くときも、しゃがむときも、片脚で立つときも。

カラダは、足元から骨盤、背骨、肩、腕、手の指先までつながって動いています。

そして、そのつながりの中で少しずつねじれながら、力を伝えています。

全身がつながって、必要なねじれをつくれていること。

これが、自然に動くためには大切です。

どこかでつながりが途切れると、ねじれのバランスが崩れます。O脚やX脚も、その結果が脚のラインに現れていることがあります。

全身のつながりを前提にしながら、脚のラインを考えるときには、特に股関節と足元を中心に見ていきます。


X脚・O脚、膝は原因ではありません

脚には、ねじれを逃がせる場所が2ヶ所あります。

股関節と、足首の下。

股関節はもともとねじる動きが得意な関節です。足首の下にも、地面の傾きに合わせて足を内外にねじる関節があります。

一方、膝は曲げ伸ばしの関節です。ねじる仕事は、ほとんど割り当てられていません。

立っているとき、歩いているとき、全身のつながりのなかで、股関節と足首は脚のねじれを受け取る大切な場所です。このバランスが崩れると、逃がしきれなかったねじれが、あいだにある膝に現れることがあります。

X脚もO脚も、突き詰めると股関節と足首、どちらにどう偏ったかの違いです。膝そのものに原因があることは、実はあまり多くありません。

膝は、結果が出ている場所であって、原因のある場所ではないんです。

じゃあ、実際にどんな方が多いのか。


神山町・代々木公園で、よく伺うパターン

神山町のあたりは坂も多く、代々木公園を歩いたり走ったりする方も多いエリアです。デスクワークで長時間座る方。ヒールで渋谷駅や代々木公園駅から歩く方。坂道特有の歩き方の癖が出ている方もいます。

共通しているのは、股関節を伸ばす機会が、日常の中でほとんどないことです。

座っているあいだ、股関節はずっと曲がったままです。身体は、使わない範囲を少しずつ手放していきます。股関節を後ろに伸ばす動きが減ると、そこからねじりを出すのも難しくなります。

股関節という上の逃げ道が狭くなった分は、下——足首——に回ります。それでも足りないぶんが、膝に溜まっていきます。

見た目としては「脚の形」の話ですが、始まりは座り方や歩き方の積み重ねです。骨そのものが生まれつきねじれているケースは、実はそこまで多くありません。

ここまでは、いわば見立ての話です。次は、セッション中に多くの方が驚かれることについて。


秒で変わるのに、なぜ5分で戻るのか

セッション中、多くの方が驚かれます。

支え方を少し変えるだけで、その場で姿勢がスッと変わる瞬間があります。膝の向きが変わる。脚のラインが変わる。鏡を見て「え」と声が出ることもあります。

でも、正直に書きます。その変化、5分も持たないことがあります。

拍子抜けされる方もいます。でも、これは失敗ではありません。むしろ、良いサインです。

その場で変わったのは、です。骨や筋肉の並びを、一時的に組み替えただけの状態。

一方、仕組みは変わっていません。

仕組みというのは、脳が「この支え方で立つものだ」と判断している設定のことです。この設定が古いままだと、少し歩いた瞬間、少し座った瞬間に、脳は元の支え方に戻します。せっかく開いた良い形を、脳自身が「違う」と判断して手放してしまうんです。

だから、その場で変わることそのものより、その変化が何分持つかのほうが、実は大事な情報になります。

30秒しか持たなければ、仕組みはまだ何も変わっていません。数分、数十分と持つようになってきたら、設定が書き換わりはじめているサインです。

一回で仕組みが変わることは、正直ほとんどありません。何度か重ねて、少しずつ持続時間が延びていく。それを見ながら進めています。

では、その仕組みを変えるために何をしているのか。


アンドエイチ神山町でやっていること

流れは、大きく3つです。

1. 今、どこに乗って立っているかを見る

まず、立ち方を見ます。足裏のどこに体重が乗っているか。膝のお皿がどっちを向いているか。股関節に体重が乗っているか、それとも外側で踏ん張っているか。

同じスクワットをしていても、外側で支えている方と、股関節にきちんと乗っている方がいます。見た目はほとんど同じです。ご本人の感覚でも、慣れるまでは区別がつかないことが多いです。

正直に書きますが、ここの見極めは毎回きれいに答えが出るわけではありません。何度か動きを見せていただいて、ようやく方向が見えてくることもあります。

2. 逃げ道を開ける

足裏と股関節、狭くなっている逃げ道を開けます。ここは整体的なアプローチに近い部分です。

3. 開けた場所に、体重を乗せ直す

先ほどの「秒で変わる」の話に戻ります。乗せ直したときにその場で変化が出るかどうかを、求心位——太ももの骨の先端が、骨盤側のくぼみにきちんと収まっている位置のことです——を目安に確認します。

その場で変化が出れば、支え方の問題として対応できます。何も変わらなければ、骨の形や足首の深い部分のねじれを疑い、アプローチを変えます。

そして、セッションを重ねるごとに、その変化がどれだけ長く持つかを見ています。これが、仕組みが書き換わっているかどうかの、いちばん正直な指標です。


毎日じゃなくていい理由

「週に1回で足りますか」とよく聞かれます。

脚の形の話でいえば、週1回で足ります。

仕組みが書き換わるには、時間がかかります。支え方が変わって、その情報が脳に届いて、少しずつ設定が書き換わっていく。毎日詰め込むより、週1回のペースで数ヶ月続けるほうが、結果としては確実です。

ただ、体型を変えたい、体重を落としたいという目的が中心なら、週1回では運動量が届きません。その場合は週2回をご提案しています。

片足に乗り続けないこと。

信号待ち、電車の中、キッチンに立っているとき。気づいたら、両足に乗せ直す。

セッションは週に1回でも、立っている時間は毎日15時間あります。脳への入力としては、こちらのほうが量が多いんです。気づいたときに戻す。それだけで違ってきます。


最後に

脚の形は、骨だけで決まっているわけではありません。

股関節と足首、2つの逃げ道のバランス。それを支えている筋肉の張り。その張りを、脳がどう受け取っているか。

積み重なった結果として、今の形があります。

積み重なりであるということは、順番に外していけるということでもあります。

膝を直そうとする前に、一度、股関節と足首から見てみませんか。

今、あなたは
どっちの足に乗っていますか。